わかうみたろう

あの日の午後のわかうみたろうのレビュー・感想・評価

あの日の午後(2015年製作の映画)
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 ツァイ・ミンリャン独自の映画製作方法 がリー・カンションなくしては産まれなかったことが身に沁みてわかった。
リー・カンションのゆったりとした佇まいがスローシネマの作風を作り出している。ツァイ・ミンリャンは常々自身のことを自分勝手で好きなものだけをつくってると言っていたが、ただ単に自分のうちにこもっているわけではなく、リー・カンションとの関係の中から何を表現するかを考えている。それは独りよがりとは違う、創造性のある営みのように思えた。リー・カンションを中心にしてどう撮るか、何を撮るかを考え続けているツァイ・ミンリャンの姿勢に感銘した。