ヒロ

ヨーヨーのヒロのレビュー・感想・評価

ヨーヨー(1965年製作の映画)
3.7
世界恐慌から世界大戦へ、チャップリンはヒトラーに、時の流れをサイレントからトーキーへのシームレスな切り替えでしれっと表現しつつ、サーカスで場所を転々とするピエロのヨーヨーを通して見つめる移ろう世の中に沿って変わるものと抗い変わらぬもの。テレビが登場し職を失い彷徨うヨーヨーが画面に映し出されたときグルダットの『紙の花』的な展開を予想して1人でぶち上がってたが、結局はブルジョワの悲哀みたいなとこに帰結してしまった、勝手に予測して期待したこちらが悪いので、、、ただ序盤のモダンタイムスへのリスペクトとか、恐慌で転落したお偉いさんが連続でポップに飛び降り自殺する件とか(みんな受身取ろうとしてて生きる気満々でめっちゃおもろい)、お洒落なタバコリレーとか、数え出したらキリないぐらいの仕掛けの数々にいちいち感心。フェリーニが観たら喜ぶだろうな。

〈ピエール・エテックス レトロスペクティヴ〉

2023-3
ヒロ

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