Shelby

マジカル・ガールのShelbyのレビュー・感想・評価

マジカル・ガール(2014年製作の映画)
3.7
一目パッケージを見た時から絶対に見ようと決めていた。魔法少女ってワードだけでもなんでこんなにも胸がワクワクするのだろうか。きっとアニメのまどかマギカを見てから萌え要素だけではないことを知ってしまったからだと思う。
だからぶっちゃけグロイの期待してました。うん、グロくはなかった。ただものっそい後味悪い。誰も救われてないんだもの。

昭和歌謡曲ばりの古臭い音楽を垂れ流しながら、やっと揃った大好きな魔法少女ユキコのステッキとドレスを着たアリシア。一番の被害者は間違いなく彼女だと思う。
もうほんとに、ラジオを少しだけでも聞いてくれていたら。ルイスもあんなことしてなかったと思う。アリシアの幸せを願っていたはずなのに、どんどん坂道を下っていってしまう。
そしてアリシアにも一言いいたい。ドレス貰った時にでも、もう少し喜ぼうよ。愛想笑いすぎてあんなに頑張った父親も、マジかって顔してて可哀想になった。

ダミアンとバルバラとの間にどんな関係があったのか。要所要所でしか察することは出来ないが、ムショからやっと出てこれたのに、お構い無しにまた殺人。そこまで愛していたのだろうか。
トカゲの部屋での出来事や、2人に何があったのか過去を推察するしかないこの演出。モヤる。けど、逆に想像を駆り立てられて、ハマる。

見返してみて思ったのだが、序盤に出てくるルイスが道端で拾うのって、ダミアンが探してたパズルの最後のピースじゃなかろうか。ふとこうして観客の頭の中でもパズルのピースが当てはまっていく瞬間は、気持ちの良いものなのだが。この作品はどうも別らしい。なぜか背筋がゾッとしてしまったのだから。

ショッキングピンクのカバーが、今では毒々しい色にしか思えず、見る前と見た後でこんなにも見え方が変わってしまうなんて。恐ろしい映画でした。
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