テレビの予告CMで流れてた岡田君の特殊メイクを見て「これはきついな」と思った。声も年齢によって変えてるってそんな馬鹿な。
戦前戦後の日本の大きなうねりの中を、主義を曲げずに社員を家族と呼び店主と呼ばれ愛され、何度も敗北しながらその度に立ち上がった実在の人物、出光佐三。誰がこれだけ見事に、そして魅力的に演じられるだろう。岡田准一が演じ切った。さすがだ。
エピソードが過去を行き来する演出が、かえって不親切な気がするが、感動的な幾つかの場面を案外バッサリ切って場面転換するやり方はかなり好感が持てた。部下の死や妻との別離、悲しかったけれどバッサリ切ってまた前に進む。潔いし主題はまだそこではないのだ。60を超えてからも大きな戦いが待っている。
イランとの石油貿易、映画では触れなかったけど、この後イギリス側との裁判そして勝訴という見せ場も出来れば見たかった。
もう岡田准一主演映画に外れは無いと、世間的に認知されたのでは無いだろうか?私は認知した。
終盤に堤真一扮する船長との共演があったが「フライダディフライ」のコンビだ。あの映画で岡田君が演じた在日韓国人青年の役を思い出した。あれは格好良かった。
そして綾瀬はるかが演じた奥さんが切なかった。