滑頭

カルテル・ランドの滑頭のレビュー・感想・評価

カルテル・ランド(2015年製作の映画)
4.0
メキシコ麻薬戦争に迫ったドキュメンタリー。『悪の法則』や『ボーダーライン』でその悲惨さは知っていたが、やはり実際の現場の映像は緊迫感が違う。カメラに映っている人がいつ目の前で殺されてもおかしくないような状況の中、その実情を知らせるためカメラを回した監督の勇気には頭が上がらない。自警団もカルテルも政府も警察もぐっちゃぐちゃに入り混じってカオスな状態になっていることがよく分かる。正義など存在しないように見える。そしてこれがまさしく今この地球上で起きている出来事なんだということに恐怖を覚える。
まるで劇映画のようにドラマチックな展開、劇映画のように美しい映像、キレのある編集によって見やすい作品にはなっているけどショッキングなカットもある。でも目を背けてはいけない。事実なのだから。今、観なければならない作品。

2016/08/05
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