チーズマン

トマホーク ガンマンvs食人族のチーズマンのレビュー・感想・評価

4.3
あっと思った瞬間に急にポポポンッとおとずれる度を越したバイオレンスと、それとは一見相反するようなどっしりと腰を据えたゆったりとした語り口が独特の味わいをもたらすS・クレイグ・ザラー監督作品の魅力が1番詰まってる1作だと思います。

今作も、主人公が最初から最後までずっと怪我した足を引きずっているという変わった設定のおかげで妻を助け出すという緊迫感と登場人物を道のりの中でゆったりと描くゆったりしたテンポが自然と両立できていて素晴らしいです。

ただとりあえず好みは分かれそうですけどね、グロい描写がダメな人はもちろんですけど、そういうシーンがテンポ良く展開されていくのを期待すると全く違う方向の作品なので退屈に感じる人もいるんじゃないかと思いますね。

しかし今回観返してみてザラー監督の1番の魅力は、急にくるドライなバイオレンスでも腰を据えた語り口でもなく、やはりその余白を満たす会話劇だなとあらためて感じました。

まあユーモラスと言えばそうなんですが、独特の間とセンスを感じるような会話劇なんですよね。
なにかの拍子にこの会話劇がクセになってくれば、ザラー監督作品が一気に面白くなると思います。

今作のチコリーとか最高ですね。

その会話劇も意味があるのか無いのかよく分からないやりとりなんですが、その積み重ねがいつの間にかじんわりと熱い感動に変わっていきます。

ただ銃声が聞こえるというだけで、無性に感動してしまうのはこの作品ぐらいじゃないでしょうか。
あの独特な会話劇から浮かんでくるハント保安官という男の生き様の全てが、銃声とその回数に表れた見事なラストでした。

あとこの映画の食人族はヤバさはかなりのもので、これはもはや風習がどうとかの次元の話じゃないのが問答無用で観る側も分かるので、倫理観がノイズにならないようになってると思います。
そういえばまだ食人族の男しか登場してないぞと思っていたら女は…の衝撃ときたら

あと、色んな映画を観てきましたが、あんな死に方だけは絶対御免だという素晴らしいバイオレンスシーンがありました。
こちらも初見時は衝撃で青ざめました。わ
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