小説家アティク・ラヒミが自身の代表作である悲しみを聴く石を、後にパターソンのパートナーとなる女優を主演に据えて映画化した作品だけど、正直小説読んだときの印象の方が良かった
というのも昏睡状態の夫へ一方的に語りかける妻が主題となる話だけに読んでいるときな固定カメラでひたすら二人を映すような画を想像していて、だからこの作品もストローブ=ユイレやドライヤーの奇蹟みたいな静謐な演出を期待していたら、蓋を開けてみると長回し気味の成瀬かニコラス・レイって感じの映像になっていて、これじゃない感が強かった
なので原作小説を読まずに見たら先入観無しに演出を受け入れていたかもしれないけど、既に根付いた自分の中のイメージを超えるシーンが無かったので終始モヤっとした気分が拭えなかった
でもわかっていたとはいえラストの展開は悪くはなかった