青二歳

雪崩の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

雪崩(1937年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

1937年成瀬巳喜男メロドラマ。大佛次郎の序文あり。愛嬌ゼロのだめんず。出来た父を持ちながらこのクズっぷり。父・汐見洋が社会の良心をうまく演ずるので興味深く観れるが…西洋から輸入された個人主義や近代ロマンチックラブを手前勝手に解釈しちゃったアイタタなナルシー男が主人公。1mmも共感し得ないが…精いっぱい歩み寄ってモラトリアムをこじらせてる若者ということにしておこう。明治中頃から大正デモクラシー辺りでこんな詭弁は淘汰されたのかと思いきや昭和になっても生きてたのか。

明治でいう高等遊民にあたるであろう一家だけど、今作を観ると、昭和においてはまあ単なるブルジョワというくらいかなと。息子は父の会社に勤めてサラリーマンやってますし。ところでタモリさんが言っていた事だけど「ブルジョワは常に洋食」っていうイメージはこの頃から80年経った今でも続いているんだなぁと。
何だかサッパリな映画だったが、大佛次郎の原作についての感想をブログに上げている方によると、この原作は自殺した有島武郎を想定しており、“自殺しない有島武郎”を描いたのではないかとあった。大佛次郎についてあまり知らないのでそれなら原作読みたいなと思った。
青二歳

青二歳