飴花

高台家の人々の飴花のネタバレレビュー・内容・結末

高台家の人々(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2016年6月4日全国東宝系で放映された漫画原作の実写映像化映画作品。

出演は、綾瀬はるか、斎藤工

口ベタで妄想癖のあるOL・平野木絵。
彼女が出会ったのは、エリートサラリーマンでイケメンの名門高台家の長男・高台光正。
全てが完璧な彼にはある秘密があった。
それは、光正には人の心が読める“テレパス”能力があったのだ。
テレパスゆえの苦労を経験した光正は木絵の温かで豊かな妄想に次第に心惹かれていく。
しかし、木絵はなぜ光正が自分に惹かれているのか分からなかった。
木絵は彼のテレパス能力を知らないまま、ふたりは次第にお互いに恋をするが木絵はついに光正の能力に気付いてしまう。
さらに、ふたりの前に立ちはだかる名門高台家の壁。
好きになった人が心を読めるという真実を知った時、木絵はどんな答えを出すのか。

・・・好きな人に自分の心をさらけ出せますか?



木絵ちゃんと光正さんの恋愛模様もとても良かったが、高台家三兄弟もテレパス能力を持つがゆえのそれぞれの苦悩の物語が描かれていた。
前半の木絵の妄想のぶっ飛び具合は凄く笑ったし、まさにラブコメという感じ。
しかし、後半になるに連れてコメディーからシリアスに。
扱うテーマが軽く見えるけれど実は深くて重い。
好きな人に自分の心が、思っていることが丸見えだということ。
木絵が大好きだった妄想を出来なくなり、心に蓋をして光正と距離を置いてしまったということは
現実的に考えれば、そうなってしまうと感じた。
相手を好きだからこそ見られたくない心や本音。
本音でぶつかることは大切だけど、相手を傷つけるものだとしたらそれはどうなんだろうと感じました。
また、心を見透かされる側でなく
逆に人の心が読めてしまう光正の苦悩。
それは、人の嫌な部分がもろに見えて、聞こえてしまうということ。
そんな人間の闇の部分を自分の意思に関わらずたくさん聞いてしまった光正だからこそ
裏表のない純粋に楽しく妄想する木絵の内面に惹かれたのだと思う。
そして、この作品で光正たち三兄弟にとって
おじいちゃん、おばあちゃんとなる茂正さんとアンさんの物語は木絵に大切なことを教えてくれます。
茂正さんとアンさんはこの物語の要と言っても過言ではないくらいに重要です。
光正と木絵の現状と重なるような部分があり、そこから木絵が本当の想いに気付き、心とともに光正に寄り添う決意をする終盤は感動。

あと、劇中中盤の結婚式のシーンの
木絵が去ったあとの光正さんの顔が本当に切なくて切なくて苦しい。

人を愛するということ、そして心が読めるという特殊能力。
可愛らしくて明るいコメディーの部分だけでなく、心理的に考えさせられたし、感動でした。
最後には心が温かくなる素敵な映画です。

あと光正役の斎藤さんと脇田課長兼妄想キャラ役の塚地さんはどれだけコスプレしたのだろうと思えるくらいに様々なコスプレがあって、そこも面白く楽しめると思います。
女性も男性も幅広く楽しめると思う。
新しいラブコメディーのかたちを見たように思えた。
綾瀬さんもとてもハマり役でした。
彼女だからこそ出せる木絵の魅力が十分に引き出されていたと感じる。
斎藤さんもとても王子様でした(笑)
飴花

飴花