パゾ

ナチス第三の男のパゾのネタバレレビュー・内容・結末

ナチス第三の男(2017年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

ナチスのハイドリヒ・ラインハルト暗殺事件とその前後をメインに描いた作品です。

前半はハイドリヒを中心に話が進み、後半は暗殺者であるチェコ人兵士らが主人公として話が進みます。

が、とにかく背景の説明描写が少なく、全体的に分かりづらい作品でした。

特に、前半のハイドリヒのパートは1926年辺りからスタートして彼が暗殺される1942年頃までを描いているのですが、全体で50分ぐらいしかないので鬼の駆け足構成となっています。

また、ナチスが政権を取った描写や、その後の戦争等の中で行われる虐殺や迫害のシーンはありますが、オーストリア併合→ポーランド侵攻→フランス侵攻→イギリス戦→独ソ戦などの時系列を示す描写はほぼ無く、ナチスは今どう動いているのか?国全体としてどのぐらい危険な方向に向かっているのか?世界やチェコは今どうなっているのか?ハイドリヒは何の為にこれを行っているのか?というのを作品内の描写から読み取るのが非常に難しかったです。

対して、チェコ人兵士らが中心になる後半はハイドリヒがチェコに就任してからの話なのでそこまで時系列を気にする必要は無いですが、前半に時系列の説明が無いので世界が今どうなっていて何の為にハイドリヒを暗殺しなきゃいけないのかという点が分かりづらい事には変わりが無く、やはり分かりづらいなという感じでした(ユダヤ人虐殺の為の会議をハイドリヒが主催している場面等は途中途中にありましたが)。


鑑賞に際して事前にハイドリヒや暗殺事件の事を軽く調べていたので何とか場面場面で起きている事は理解出来ましたが、そもそもハイドリヒや彼の暗殺事件を描いている作品なのに、色々調べていないとその内容を理解出来ないというのは作品としてどうなんだと思ってしまいました。

ただ、暗殺事件前のチェコ人兵士らの暗躍や暗殺事件後のナチスによる報復措置等の描写についてもしっかりと描かれており、もっと事前によく調べていればより内容を理解しながら観る事が出来る作品なんだろうなとは思います。
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