グルポル

ナチス第三の男のグルポルのレビュー・感想・評価

ナチス第三の男(2017年製作の映画)
3.9
原作ローラン・ビネ著作HHhHを拝読中内容の難しさのあまり、先に映画を観ようと思ったため鑑賞。まだ冒頭しか読み始めていませんでしたがその中でも原作がかなり細密に表現されていたため物足りなさを感じました。特に映画でのハイドリヒの人生については「大虐殺した人」の一言で括ってしまえるほど簡潔にむしろ薄い形で表現されていたためかなり残念です。海軍を名誉除隊した話ももっと陰のある深い心情があったしヒムラーに対しての行動もあんな軽いものではなかったと思います。もっと悲壮な存在でハイドリヒさえもが恐れていた存在に違いないはずでしたがむしろハイドリヒのほうが上手で操っているようだし、フレンドリーな感じにも驚きました。まあこれは一つの仮説で、歴史の真実は難かしいので本当はあんな感じだったのかもですね(笑)

題名が、原作も映画もハイドリヒを主張する形で公開していますが、実際著作者や監督はパラシュート部隊に強く関心をもっていたのかな?とも感じました。原作はまだ読めていませんが、映画の後半がパラシュート部隊の心情や友情を深くとらえていたため監督の意図が全くつかめず、題名間違えてない??って感じでした(笑)ですが、パラシュート部隊の情景は美しく辛く苦しい内容でうっかり泣かされるところでした。ローランビネ本人が歴史を誠実に語る書物として完成させた原作 HHhH をもとに作成された映画ですので歴史を学ぶのにも最適かと思いますが、やはり物足りないですね、こんな簡単なものじゃないと思うのでもっと長く重い作品にしていただきたかったです。
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