Shaw

さざなみのShawのレビュー・感想・評価

さざなみ(2015年製作の映画)
4.2
ドラマ、しかしそれ以上にサスペンス。

新鋭アンドリュー・ヘイとはいうが、この男、一体どんな人生を歩んできたんだ... 相当濃い人生を生きてきたんだろう。

たしかに最後の最後で「あっ...」とはなるが、それは必然の反応。そこに至るまでのプロセスはちゃーんと、納得するのが辛いくらいにしっかり用意されている(二人の会話に出る「岩に入った亀裂/裂け目」はまさに二人の行く末を暗示していた)。

「結婚生活」というものを前半と後半に分けて、映画に見立てたとしよう。「ゴーン・ガール」と本作を見れば、この恐ろしく複雑な儀式の裏の姿を、全て熟知できたような気になれる。

つまり、結婚とはお面を被ることなのだと。

抑制の効いた演技、それを邪魔しない演出(感情の起伏をより際立たせる)、そしてそれを打ち破る晴れやかな音楽とラストのミスマッチ。最高です。

邦題の巧妙さにもまた驚かされた一本。
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