りゅっくサック

ワンダフル・ワールドのりゅっくサックのレビュー・感想・評価

ワンダフル・ワールド(2015年製作の映画)
3.7
【毎日喧嘩ばかりのゾンビでアル中の両親にウンザリな主人公ミッラは、彼氏のアイモと同棲を始めることに。
しかし何もしても中途半端なアイモは強い男になりたい一心でロボットになる手術を受ける。
2人の貯金に手をつけ手術をしたと知ったミッラはアイモに愛想を尽かすが、ますますロボ手術にのめり込むアイモを放っておけず彼を助けるため奔走する。】

もう自分であらすじを書いてて何言ってるのかわからねー…
カートゥーンアニメとかでよく見る、カオス&シュールな雰囲気のフィンランドの映画。
うーん、、、好きぃ!!!

スポンジボブが何故海底でカニが経営するバーガーショップでタコと一緒に働いてるかツッコんでもしょうがないでしょ?
これも真面目にツッコミ入れる方が野暮な作品。

SFあり、ミュージカルあり、ゾンビあり、宇宙人あり、スーパーヒーローありと何でもありで大丈夫?と思いきや
話の本筋は「一緒に居るだけで幸せだったカップルが、いつしかすれ違い…」っていうありふれたネタ。
あーこういう喧嘩ってフィンランドでもあるんだ!ってほっこりしたり。

周りの登場人物も個性的で、アイモの親友でゲイのアンパリのサイドストーリーもLGBTを軽薄に見せかけつつもちゃんと描いてて好きでした。

この映画「バカだな〜」と思いながら見ていると
「あれ…意外とちゃんとしてる…なんか凄いかも?」といつの間にか引き込まれる魔力がある。

元々はフィンランド国営放送でティーン向けの10分1話完結、計70話ある長寿ドラマシリーズの映画化。
1話ごとにSFやゾンビと題材が変わる斬新さからフィンランドでは大人気だったそう。
ちらっと見ましたがドラマの方がまだ大人しかった、映画は濃縮版って感じなんですかね。

この監督と脚本家さんかなりのオタクらしく分かる人には分かるネタが随所にあるので、探すのも面白いかも。

最後は意外な結末が待っていたり最後まで良い意味でバカな作品でした。
こんな映画見たいと思ってもなかなか出会えないと思います。
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