つるみん

ジョン・ウィック:チャプター2のつるみんのレビュー・感想・評価

3.7
情け無用のガチアクション再び。

映画というものは約2時間の間で強弱があり話が進んでいくものだと思っていて、その中でも特にアクション映画においてはハッキリと強弱が目に見えるもの。そういった意味で本作を捉えると完全に〝尻上がり〟なアクション映画だと思った。時間が経つにつれ徐々に盛り上がっていくようなアクション。アグレッシブ、スピード、サウンド全てにおいて尻上がり。
もちろん、冒頭からのカーアクションで只の続編で終わらないぞ!という意思は見えたけども。

率直にいうと前作ほどの衝撃度は無かったもののアクションに関してはボリュームアップしたと言って良いだろう。脚本含め、暗殺者の世界観というものは前作には到底及ばないが……。

今回もテーマとしては〝復讐〟なのだが全くもって意味が違う。前作で亡き妻からの贈り物として仔犬を授かり、即殺されてしまうという観ている我々にも憎しみや怒りを与えた演出が〝復讐〟という意味を膨らましカタルシスを齎した。しかし今回において家を吹っ飛ばされただけで感情移入するのは難しい。そのため終始見せられるのは〝素晴らしいアクション〟のみ。観ている我々からしたらそこに〝復讐〟という2文字は意味を持たない形式上のものと化しているのだ。

個人的に好きな『ジョン・ウィック』シリーズなので続編をやってくれるだけで満足ではあるのだが(笑)静かに撃ち合うガンアクション、近未来的なミラーの舞台でのアクション、次々現れる刺客。今回も〝ガンフー〟スタイル健在だったので、この点数にさせていただきます。
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