Kaji

ある母の復讐のKajiのネタバレレビュー・内容・結末

ある母の復讐(2012年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

過去と現在をカットバックしながら進むのでちょっと「今どの地点?」と展開に滞りがありました。
復讐を全員まとめて完遂する母の決意の表情が印象的で、いわゆる「オンマ」像ではなく、夫も刑事も巡査も誰も彼も真面目に取り合わない、取り合われないから泣き叫ぶ、の悪循環が見ていてツラかった。



元になった事件は「ソウォン願い」でも題材になった08年「チョドゥスン事件(ナヨン事件)」かと思いますが、確認できず。
この事件は、少女児童を学校の前で拉致して致傷、事件の発覚を恐れ体液を掃除器具で掻き出したため少女の肛門と膣の80%を損壊させた後、出しっぱなしの水道に晒して放置した事件。
泥酔状態を主張して心神耗弱が認められ懲役12年の判決。
この事件で泥酔状態を心神耗弱に含める韓国の法の是非が問われた。

他作でも泥酔状態を主張する被告人がよく登場するのはこのためなのですね。

文字打ってるのも辛い事件ですが、こういった実際の事件からストーリーを紡ぐ韓国映画の芯の強さが好きです。
今作では犯人がシャワーキャップを被ったりと証拠残留回避をしているペドフィリアでなお一層気持ち悪かったです。

事情聴取がそのままセカンドレイプとして働いてしまう点も入っていて、事件のリサーチがちゃんとなされているなと思いました。
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