Mackey

アノマリサのMackeyのネタバレレビュー・内容・結末

アノマリサ(2015年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

主人公のマイケルは、コールセンター管理の専門家でイギリス人の初老男性。アメリカ講演へ向かう飛行機から降りるところから物語ははじまる。

はじめ、なぜ周りの人の声がみんな同じおじさんの声なんだろう?と思った。周りを駆け回る子や、家族づれ、すべて声が同じ。よく見れば、顔も同じ。

そうなのだ。マイケルは長年、すべての人間の声や顔が同じに思えてしまう、疲れからか、職業病か、はたまた精神的な病からか。

しかし、その日泊まったホテルのロビーから、ふと聞こえた声は女性の声だった。女性の声を聞いたのは何年振りだろう?マイケルは急いで声の主を探しにでかけるのだがーー

結論から言うと、話自体は素敵と思えないし好きじゃない。マイケルの性格も普通の欧米人っぽく、自己中でいやな奴。ただ、すごい映画なので一度見たほうが良い。普段アニメ嫌いで借りないのに、”間違って借りてしまった”ほどリアルなクレイアニメ。製作努力にくらくらする。

あと、ものすごく心理描写がうまい。リサという彼の中では唯一他と違う人間と出会い、恋に落ち、すべてをなげうっても良いと思ったが、結局一夜あけてみたら彼女も他の人と同じになる。

マイケルはたまらず彼女の前から逃げ出すのだが、精神的に同じような感覚に陥ったことのある人はいるはずだ。つまり毎回、好きだったのに、この人は!と思っていたのに、急激にさっと感情が引いてしまう。おそらく自分に問題があるのだけど、原因がわからず苦しい。という感覚。私はすごくその苦しみに共感できた。
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