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アノマリサのnのレビュー・感想・評価

アノマリサ(2015年製作の映画)
4.1
これは!

観たら絶対好きなやつってわかってたんだけど、やっぱり好きだった。
「静かにイタい」、落ち着いたトーンで心を抉ってくるタイプの映画。

顧客サービス向上の専門家として仕事でも成功し、妻も子どももいるが、どこか物足りなく満たされない。人生に行き詰まったおっさんが、講演先のホテルである「運命」の女に会う。しかしその女は...というような話。

皆同じ声にして、「運命の人」だけ違う、女性の声にするというアイディア。これはアニメだからこそできる素晴らしい仕掛け。

特にリサとやった翌朝、「気付いてしまう」シーンがもう"最悪"で最高。「あっ...」っていう。
ここも声のアイディアがかなり効果的に、それによってその感情が観客に伝わるという。素晴らしい。
リサのキャラクター造形も秀逸。自己卑下が多く、髪の毛に赤色とかかラインで入ってたり...なんとなく冴えない感じ。会話の中でそれを積み重ねていき、主人公の感情と観客がリサに感じることに少しずつ乖離を生み出していくイヤみ。さすが。
こういう「真実」を伝えようとする姿勢の映画は貴重(みんなどこかで表現を和らげて逃げちゃう)。

しかし、これ、普通にCGかなんかかと思ったらほんとにストップモーションやってんだな。
マジで驚異だよ...。
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