垂直落下式サミング

トリプルヘッド・ジョーズの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

トリプルヘッド・ジョーズ(2015年製作の映画)
3.5
海洋生物学を専攻する海洋廃棄物研究センターにインターンとしてやってきた若者たちに、3つの頭を抱えた巨大サメが迫り来るモンスターパニック。
わりと人死にが多くて、事態のエスカレーションが切実に伝わる。トリプルヘッドジョーズは、人間による海洋水質汚染に端を発する変異体という設定。公害によって生まれた奇形のミュータントが、ゴミをもぐもぐ食べて、海を汚す人間たちを制裁!キモチのいい俗悪さを打ち出している。
おすすめは、船のデッキに乗り込んでくるところ!どでーん!全体像をみると思ったよりもでっぷりしていて、かわいい。
前作のダブルヘッドジョーズでは、不愉快な登場人物がいなかったのに、今回はだいぶ嫌い。情けない坊っちゃん顔の男が、気にくわない環境派のうえ、偶然再開した大学時代の彼女をもう一回口説いてあわよくばイッパツかまそうとしてて、嫌悪感がヤバイ。死ね。
ヘアバンド男が残って斧で戦うってのもたいして勇ましさがないし、ダニー・トレホの専用武器はマチェーテやろがいってんで鉈を持って戦うのとか、まったく意味なくて無駄。
それにくらべて、ロブ・ヴァン・ダムはいい役を与えられていて素敵だったな。おびえる青年の肩にそっと手を添える。優しき巨人。こういう魅力的なキャラクターを、もっと活躍させてほしかった。