火山の麓で農業を営むマヤ族の一家。人が集まっての食事での話題は、作物の実りと子作りのことばかり。どちらも命の話。悩みの種は畑をうろつくヘビと、娘の周りをうろつく青年の存在。どちらも存続を脅かすもの。
嫁がせようとしている先があるにもかかわらず妊娠してしまった娘と、それを力強く支える母の姿を見ていて、命とは母と子の永遠に続く連鎖であり、男はどこまでも無力だ。と感じた。
冒頭、豚の屠殺シーンがサラリと流れる。母と娘の会話は入浴の時に深まる。全体的に乾いた空気の流れる映画の中でこの2つのシーンはドロリとしたものを感じて印象的だった。