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火の山のマリアのskgcのレビュー・感想・評価

火の山のマリア(2015年製作の映画)
3.5
なんともいえない神秘的な映画でした。

家のための結婚であったり、日雇いだらけの貧困層と地主との関係性に蹂躙されるマリアの人生。無表情で言われるがままにしているようで、されるがままでないマリアの行動にひきつけられる。

マヤ族の風習やお祈りのシーンは初めて見たけどとても神聖。効くんかよ、と思わずにはいられなかったけど。頭を擦り付けながら祈る両親と、呆然としながらそれを見下ろすマリアのシーンが印象的。

言語の違いで意思の不疎通が起こるシーンはヤキモキしすぎてちょっとイライラ。マリアの家族たちは、それぞれを愛し、家族としての歩みを何一つ違えようとしてないのに。まわりの人々の、思いやりの欠如や他人事感がやるせない。マリアの不徳への腹いせかなにか知らんけども、とくに花婿むかつく。気持ちはわかるが。

花嫁衣装を着せられるマリアの、ベールの下から覗く瞳の強さが、ラスト後の彼女の人生を想像させます。

特典映像見てたら、マリア役と母親役の本名がどちらもマリアで、これまたおもしろいな、と。
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