遠藤泰介

リップヴァンウィンクルの花嫁の遠藤泰介のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

観てきました観てきました。
待ちに待った初リアルタイム岩井俊二。原作を買い、面倒なバイト中に読了して約3ヶ月。
新人類から映画にわかに昇格して初めて分かったのは、やっぱり岩井俊二はかなり人気あるのね。
昨晩の2時間ラジオ始め、メディア露出すごい。

そんなことはまあよくて。
PiCNiC、リリイは置いといて個人的に岩井俊二が好きな理由は大して刺激のないその辺に転がっていそうな脚本をサッと楽しく映像で見せてくれる魔法的なところなわけで、今作もそんな感じ。
元来の青春路線とは別な尚更当たり障りのないドラマ(いい意味で)
3時間という長尺ながらも体感は2時間ものくらい。

気に食わなかったのは以下2点くらい。
2カット目くらいの新宿東南口付近のポストで待ち合わせて、歩くカットは雑。無許可でざっと撮った感じがして、導入最悪。
パッと貶すところは後、真白の実家で七海が安室に服をはだけさせられるとこがね。カットバックではだけてるところが右肩から左肩になってんのよね。他の映画でマイクバレてるのにも気づかない私ですが、流石に気になった。
あ、綾野剛はカッコいいんだけど、この作品では浮いてる気がする。重婚男役の紀里谷監督もそう。
説明的な台詞が多いのはもうなんか仕方がないのかなと思う。
2点で済まなかったね。

真白家二階の猛毒水族館はFRIDE DRAGON FISHの水槽達を微妙に連想させた。水槽の中のクラゲ、水槽に映る2人の表情のフォーカス送りなどなどは媒体が綺麗なこともあるけれど美しかった。
いやあ、ウェディングドレス姿の黒木華ちゃん可愛すぎて死ぬ。
猛毒水族館ベッドで2人がイチャコラでCoccoの長ゼリ。あれは凄い。噂によるとリハ一回の時点でOKが出たらしい。


一番ぐっと来たのはラスト前2カット目の七海がゆっくりとベランダに出て行く部屋の引き。ガン決まり。
そこからのねこかんむりエンドロールは最高。

安室は最後まで商売屋を貫いていて良かった。真白実家で転げながら泣くところはシーン自体恐らく七海側から見ればお涙頂戴なわけだけど、安室に気を回してみればとんだ茶番劇で笑いすら起こる。本当に泣いてるかもしんないけどさ(汗)
綾野剛のインタビューにもあるけれど、リアルでいう本物に限りなく一番近いのは安室。

本当はカットごとに感想書きたいけど、それは鑑賞した人同士で酒飲みながらでも語り合いましょう。

女の一生
遠藤泰介

遠藤泰介