なつこ

リップヴァンウィンクルの花嫁のなつこのレビュー・感想・評価

4.5
警戒心がなく、意思が弱く、人を疑わない、抗わない、全てに流されるままの七海。文字にするとダメ女ですが、この作品を観ていると、頷いてあげたくなるし、優しく見守ってあげたくなる。
黒木華の為に書かれただけあって、本当に愛おしい女性として描かれてます。

綾野剛も良かった。
単純な表現で言えば敵であり味方であり、よく言えば中立という絶妙な立ち位置の安室(仕事だからね)。それをとてもフラットに演じている。

ウェディングドレスで眠るシーンも印象的でしたが、色としては真逆ともいえる、焼酎を酌み交わし泣笑いするシーンで、気付いたら涙が溢れてました。

印象的といえば音楽。
クラシックがこんなに沁みる邦画は、最近観ていない気がする。素敵です。

是非ニュートラルな状態で観てほしいので、細かく書きませんが、とにかく岩井ワールド全開でした。
個人的には、こんなにどっぷり浸かったの、リリィシュシュ以来かも(遡りすぎ笑)
最初のカットからもう、画面が岩井色!って、高揚感でいっぱいになってましたから、このスコアも甘めかもしれませんw

あ、あとパンフレットは絶対買いです。
なつこ

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