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戦国自衛隊のSEIJISANのレビュー・感想・評価

戦国自衛隊(1979年製作の映画)
3.0
「歴史は俺たちに、何をさせようとしているのか」そして「僕は一体何を観ているのか...」と思ってしまう作品。当時の角川映画の熱量と予算、何より千葉真一率いるJACの本気度が本作の評価を引き上げていますね。ストーリーは凄まじいポテンシャルを持っていると思います。いくら本作のストーリーをハリウッドが気に入って「現代の米軍が南北戦争時代にタイムトリップ」としても面白くならないでしょう。「実戦経験の無い自衛隊員が、戦争の真っ只中に放り込まれる」から面白さがグンと増すと思うからです。でも、本作がそのポイントを活かしているかと言われれば活かしていませんが...。「ヒット作を作る」というよりも「後世に語り継がれる名作を作ってやる」という気概で監督含め制作者側が取り組んでいたら「日本映画の金字塔」となっていたでしょう。何とも勿体無い。ストーリーに恋愛要素を入れたり、サウンドトラックも売りたかったのか場面に合わないバラードが流れたり、嫌いじゃないけど意外なキャスティングだったり(ムッシュかまやつさん!)。それらのお陰でストーリーの軸がブレまくり、突っ込みどころ満載のストーリーになってしまいました。それでも合戦シーンの騎馬隊VS戦車、装甲車、ヘリコプターのアクションシーンは目を見張るものがあります。銃器に関してはこの当時の「日本映画あるある」なのですが、銃口から火花がでちゃうのが残念。これで一気に玩具感が出てしまいますからね。後のリメイクと呼べないリメイク作品とは別に、本作の正式なリメイク作品を再度作って欲しいです。埋もれさせるには余りに勿体無い素材ですから...。
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