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Crumbs(原題)
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『Crumbs(原題)』に投稿された感想・評価

Yuki
4.5
長きにわたる戦争により荒廃し、人類が"無関心"によって減少していったポスト・アポカリプス世界
マイケル・ジョーダンやジャスティン・ビーバーを信仰し、ミュータント・ニンジャ・タートルズはお守りに、プラスチック製おもちゃは武器や宝とする世界
その空には大戦の前から浮かんでいる、右腕の形をした宇宙船があった
スーパーマンに密かに憧れている青年"キャンディ"は、廃品回収などをして生きている
彼は恋人の"バーディ"とともに廃ボウリング場で暮らしていたが、バーディが夜に宇宙船から不可解な信号を受け取ったことで2人は宇宙船が地球を離れることを知る
それに乗って荒廃した地球を離れるため、キャンディは魔女からの「電車の導きに従え」との助言をもとにサンタクロースを探して古代都市へ……みたいな話

すごい独特な感じがする映画
「災厄」の前の時代にあったポップカルチャーを信仰し、そこに過剰なまでの価値を見出している人々
エチオピアの自然、古い建物を中心に描かれる作中世界に映される人はわずかだけ
文明そのものが終わったという気配が漂う
自然は仄暗い雰囲気をまとい、人間にはどこか冷淡で無機質な違和感がある
それらとおもちゃの武器などが組み合わせることで紡がれる、暗く静かで不条理な終末世界
映像レベルで意識して世界観を伝えているのがいいね……美しい自然を映しながら仄暗い滅びを予感させる

バーディから贈られたプラスチック製おもちゃ剣をまるで聖剣のようにし、騎馬したならず者に振りかざすがカタカタと音を立てるばかりで何の役にも立たずあっさり奪われ、ならず者は去っていく……そんなシーンがある
ちなみに、ならず者はその後の展開に繋がらず奪ったおもちゃを売却して終わり
そんな不条理さ、人間同士の無関心さが一貫してて不自然/散漫とは思わせないのがいいね
人生ってそんなもんだよな、と思わせてくれる
何やら壮大な旅に出ているようで観客からすれば荒廃した世界をふらり歩いているだけ
大金になると言っても、強力な脅しだとしても、観客からすれば奇妙で滑稽にしか映らない
何かドラマがありそうで、結局は何にもならない人々の希薄さ
そんな現代への静かな風刺が本作の肝

ポップカルチャーや大量生産品への過剰な信仰、しかし信仰対象の性質などは全て誤って理解しているそれは信仰というにはグロテスクで不気味に映る
大戦によるものと思われる「歴史の消失」
でもきっと本当は大戦が原因ではなく、むしろ人間があらゆる物に対して無関心になっていったがゆえの滅び
他者、道徳、歴史、そして価値を見出した対象にさえ無関心……あるのは「これはいくらにできるのか」という即物的な欲望ばかり
ポップカルチャーや資本主義への批判というより、そういった人々の退廃を風刺している
これ怖いのが1つあって、人々は自身の無関心に気づいてないんだよね
「そうはならんやろ」な解釈などに基づいてプラスチックのおもちゃを財宝のように扱い、おもちゃの銃や剣を武器として携帯する
何も理解していないし調べるほどの関心もない、だからこそ疑いようのない真実として信仰できるという……

すごく印象的な人物として「ミッキーマウスみたいな被り物+ガスマスク+ナチス軍服+おもちゃの銃」というとんでもないファッションの男がいる
ちなみに少しだけナチスに言及するサンタもいるけど、この人物には関係がない
このチグハグな格好はシュールで笑えるけど、同時にナチスさえもファッション=ポップカルチャー化しているように思える
おもちゃの状態といいナチスといい、途方もない昔に災厄があったように見えて実は割と最近なんじゃないかって気分にもなる
登場人物の多くは「今、いくら手に入る」ことばかりを考えていて、未来にも過去にも想いを馳せることはほぼない

観てるとこの終末世界には「愛」が欠落してるのもわかる
キャンディとバーディは例外なのだけど、他の人たちは繋がりが薄くて冷淡
そもそも作中世界の設定からして「子供を産むことさえ嘲笑の的となった時代」だからね……
と言ってもその2人もまたポップカルチャーという信仰に取り憑かれている
しかし旅や危機を通して「それらが本当は思ってるほど素晴らしいものではない、大して役にも立たないのだ」と気づき、精神的な成長を遂げていく

物質主義や叙事詩的ヒロイズムなど……人間から精神的に重要なものを忘れさせ朽ち果てさせたものから、ヒューマニズムへと立ち返らせる冒険譚・恋愛譚
世界観や風刺が魅力的なだけでなく、ストーリーや情緒面などでも良い映画だった!
なんとなくヘルツォークあたりに似てるような……と思ったらヘルツォーク好きらしくて🥰
タルコフスキーに近いものも感じるし、あの辺のアート映画が好きならオススメ!
TTSZ
4.5
観たのだいぶ前だけど、検索したら出てきたから思わずコメント。

エチオピア初の超絶シュールなSF冒険譚。むちゃくちゃクセになる世界観。