まーしー

ジュラシック・ワールド 炎の王国のまーしーのレビュー・感想・評価

3.5
かつて恐竜のテーマパークがあったイスラ・ヌブラル島の火山が噴火。それを契機とした、恐竜たちの救出活動や悪徳商人との戦いを描いた新シリーズ第2作。

前半はイスラ・ヌブラル島を舞台に、火山の噴火と迫りくる溶岩流に圧倒される。恐竜をも飲み込む自然の脅威。まさにサブタイトルの「炎の王国」を指した内容だろう。
後半はがらりと作風が変化。夜の邸宅を舞台に、恐竜ビジネスで巨額の利益を得ようとする悪徳商人や恐竜たちとの戦いを描く。

本作は、大暴れする恐竜を単に描いているのではない。
科学の進歩がもたらした新たな問題を提起している。
次々と人々を襲う恐竜たち、出生の秘密を持つ少女……自然の摂理に逆らった内容は、近未来に実際に起こりそうなもの。決して夢物語ではないだろう。
さらに、悪徳商人に代表されるような、私利私欲にまみれた人間の醜さも描かれている。
こうしたテーマは以前のシリーズから見られたもので、正直、目新しさはない。
しかし、息つく暇を与えないスリルの連続と恐竜の迫力はさすが。
特に、本作では恐竜のシルエットをうまく描写しており、より恐怖感を増幅させている。

ラストで明かされる「ジュラシック・ワールド」の本当の意味は、次作への布石だろう。
恐竜と人類の共存は可能なのか——新作で描かれる内容を楽しみにしたい。


初鑑賞 2018.8.11.
再鑑賞 2022.7.22.