メガメガ

ミュージアムのメガメガのネタバレレビュー・内容・結末

ミュージアム(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

次々と起こる不可解な殺人を追っていた、刑事の久志は、それぞれの事件の被害者が全員、とある裁判の裁判員として判決を下していた、という共通点に気付く。
あいにく、久志の妻もその内の一人であり、犯人から狙われることがわかったが、肝心の妻と子は喧嘩別れで家出状態。
行方不明の彼らを必死の思いで救出しようとする、といったストーリーです。
太陽光を極端に苦手とする、光線過敏症である犯人は、犯行を必ず雨の日に行うのですが、やけにリアルなカエルのマスクも相まって、とても不気味でした(笑)
作中では、彼の殺人の動機について、自身が芸術と称する残虐な殺人に対し、別の被告人が誤って裁かれたことで憤りを覚えた、と描かれていますが、実際のところは、死刑という冤罪を受け、自殺に追い込まれた被告人の仇討ちのように感じました。
恐らく彼は、人の主観的判断によって人を死刑に出来てしまう、現行の裁判制度の在り方に対して、一石を投じたかったのかもしれません。
死刑というのは確かに、重罪を犯した者を裁く手段の一つではあるものの、その判断基準は、人間が恣意的に作った法律に基づいている訳で、ときには誤ることだってあります。
人が人を裁くという意味では、死刑も殺人も、その内実はあまり変わらないのかもしれませんね。(違うのは、法律という建前の有無だけです)
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