借金返済のため性豪の中年男（高木均）に嫁がされた娘（谷ナオミ）が、真の恋人（志賀圭二郎）に添い遂げようとする。被虐待者となった薄幸美人の生き様を描いている、日活ロマンポルノ。団鬼六原案。
高木均と渡辺とく子が演じる悪役兄妹のインパクトが鮮烈であり、もはやサイコ・スリラーの領域に達している。人里離れた村落が舞台のため、因習めいた雰囲気に支配されているところも絶品。
端役では、トラウマ級の性体験を強いられる奉公人の童貞少年（滝沢淳）と、白痴の女中（田島はるか）が目覚ましいほどの仕事ぶりを見せている。芸達者が総出演しているため、登場人物の一挙手一投足がいちいちツボに入る。
谷ナオミへの羞恥プレイは、弱者に対するイジメとしての行為ではなく、谷ナオミが強者だからこその、心のぶつかり合いであることを、汲み取ることが可能。何よりも、「主人もまた隷属者に隷属している」の法則へと着地するところがエライ。
