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マザーハウス 恐怖の使者のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

マザーハウス 恐怖の使者(2013年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

アレハンドロ・イダルゴ監督によるオカルト・ホラー映画である本作は、不慮の事故で命を落とした次男のロドリゴの葬儀が行われた、1981年11月11日の深夜11時過ぎに起こった殺人事件の被害者である自身の夫フアン=ホセと、遺体の見つからない長男のレオポルドを殺害した謂れのない罪で逮捕され、終身刑が下り刑務所に服役していた主婦のドゥルセ・アリダが、30年後、特別処置によって事件現場である自宅に戻り、カウンセリングのために突然やって来た神父の協力を得て明らかとなった30年前の事件の真相に対峙したことで、失踪していた息子レオポルドの命を守るべく奔走していく様を過去と現在を交錯させながら描いた作品となっているのだが、先日、イム・デウン監督によるリメイク作品『時間回廊の殺人』を視聴し内容が面白かったので、オリジナル版である本作がどのような仕上がりになっているのかが気になり早速拝見してみたのだが、やはり内容が面白くて最後まで目が離せなかったですね。リメイク版と比べると物語の紡ぎ方が俊逸で一つ一つの物事に対して丁寧に説明されている点は高評価ですし、無駄な不純物も見つからず、時系列こそは複雑で理解に苦しむものではあるものの、息子に対する母の愛が素直に伝わってきましたし、ドゥルセら家族によるドラマも深みがあって個人的には断然オリジナル版が好きですね。ドゥルセを演じたルディー・ロドリゲスの演技も良かったですし、中々見応えがあって本当に面白かった。ただ、『マザーハウス 恐怖の使者』という邦題はあまりにも酷すぎますね。これでは本作の本質を捉えておらず、内容と異なるイメージを視聴者に植え付けている。その点が非常に残念でならない。そして本作はオカルトホラーとあるが決してそうではなく、ファンタジー色の強い家族ドラマとなっているので純粋にホラー映画を求めている人には不向きな作品となっていますし、恐怖心を煽られるようなシーンもなく、視聴の際は注意が必要かと。それでも面白い作品であることに間違いはないですけどね。
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