ジョンマルコビッチ総統

イップ・マン 継承のジョンマルコビッチ総統のレビュー・感想・評価

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)
4.2
名作。
イップマンの良いところは、現代にブラッシュアップされていながらも、そのストーリーがスタンダードなカンフー映画なところだと思う。
正義、そして復讐や名誉の回復である。
日本軍へ雪辱を果たし中国人の名誉を回復するイップマン序章。
中国武術家仲間の復讐と中国武術の名誉を回復するイップマン葉門。
今回の継承では、亜流と貶められた自らの詠春拳の名誉の回復だろう。
そういうスタンダードな筋をしっかり押さえておきながら、イップマンというひとりの達人にして家庭人の個人史を丁寧に描くことで、このシリーズはとても深みのある映画になっている。

達人としては、技で魅せるイップ師匠。今回はとうとう待望の棒術を見せてくれる。
そして家庭人としては、子供を守り育て妻を心から愛し甲斐甲斐しく尽くす姿にぐっとさせられた。

ドニーさんは本作を見る前は、ゴリゴリでギラギラのイメージだったのだが(ワンチャイの時はシュッとしたイケメンか)、この少し枯れた、いや穏やかで飄々としたイップマンの演技でぐっと演技の幅が広がってより男振りを上げたように思う。

イップマンの完結編が本来は5月に日本公開の予定だったのだが、このご時世延期だろう。
公開される日を楽しみに今は自粛しよう。