あゆみ

ダンガル きっと、つよくなるのあゆみのレビュー・感想・評価

5.0
渋谷シネパレスの閉館日。
理不尽な期待を背負わされて始まった涙ぐましい特訓の様子や、男尊女卑の古い社会の中で、自分自身に負けないよう真っ直ぐに挑み続ける姿に、本当に心動かされた。
それも普通に座って観るのではなく、タンバリンを叩いて盛り上げて、勝てばクラッカーを鳴らし、紙吹雪をまいて。一緒に泣いて笑って、作品の熱量を共有する応援上映だったからこそ、その興奮もひとしお。
「敵はオーストラリア人選手ではない。 女を男より下だと考えているすべての人間だ。お前の勝利は小さな女の子たちの勇気になる」
このメッセージがすべてだと思う。
ファールのワンシーンを切り取り、無関係な野次馬が騒ぎ立てて、一人の青年の未来を潰すなんて、あまりに無益でくだらなくて情けない。
スポーツに過剰の潔白や美しさは求めなていないけど、とはいえ、確かにスポーツには人を勇気付ける力があるんだと素直に思えた。素晴らしいなぁ。

70年の歴史に幕をおろす。
そう決断を下さざるを得なかった方々の中には、きっと、寂しさ、切なさ、やるせなさ、悔しさ、もどかしさ、いろんな想いが駆け巡って、たくさん悩んだことだと思う。
「最後に何を上映しようかと考えたときに、湿っぽく終わるのはらしくないと思った」という言葉に泣いてしまった。
笑って泣いて明るく締めくくりたいと、ダンガルの応援上映を選んでくれるような素敵な劇場が閉館してしまうなんて。
映画館、儲かってほしいなぁ。
たくさん働いて、たくさん映画を観に行って、劇場を守らなくては!