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裸足の季節のodyssのレビュー・感想・評価

裸足の季節(2015年製作の映画)
3.5
【トルコ女性の束縛と解放】

トルコは黒海沿岸の小さな町に住む5人姉妹。両親を事故で亡くし、祖母および叔父夫妻と同居。5人は、同年齢の男子たちと遊びたいし、結婚も自分の好きな相手としたいのだが、伝統を重視する祖母や叔父はそれを許さない。5人は監禁状態も同然となる。そして長女と次女は、叔父の紹介した相手と見合いで結婚させられてしまう。

物語は末っ子の視点で展開される。最後は末の2人が家から逃亡して、以前末娘が教わっていたリベラルな若い女教師(結婚してイスタンブールに引っ越していた)を頼ってイスタンブールに旅し、女教師の家を捜し当てるところで終わっている。

古い伝統に反抗する少女たちの姿を描いた映画。自分の好きなことを祖母や叔父に隠れて愉しんでいる彼女たちには、はつらつとした輝かしい若い女性ならではの魅力がある。

この映画を愉しむためには、後者を重視したほうがいい、というのが私の見解。

逆説的に言うなら、束縛があればこそ束の間の解放も輝きを増すのである。その辺を味わうべきかと。 
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