ひろくん

裸足の季節のひろくんのレビュー・感想・評価

裸足の季節(2015年製作の映画)
4.8
エモいアワード2016金賞。
キーワードは無邪気のエロス(したたかのエロスもあり)。男子禁制秘密の花園を覗いているかのような少女たちのあられもない姿を堪能できる極上の時間が続くが、古きしきたりでがんじがらめにされていく中で主人公姉妹に鬱憤がたまっていく後半、一緒に見ていた友人は露出が減っていく画面に鬱憤がたまっていき露骨につまらなさそうにしていた。
だが、後半は後半で末っ子ラーレが次世代の感性で時代にそぐわぬ風習に違和感を抱き、姉の一人が耐えかねて自殺したことをきっかけに箱庭の脱出を試みる流れは生きるか死ぬかというスリルがあってハラハラする。
ただ、生死をわけるようなスリラーや鬱憤に押し潰されそうな辛い場面でも、それでも、どこかしらエモさがあって、それは、褐色の柔肌が日差しを浴びて輝き、生まれもった色なのか、それとも潮風か海水のせいか、色の抜けて茶色味がかった髪をそよぐ風が仄かに揺らす。はしゃぎ疲れて、五人の体を重ねて眠る。たくさんの「エモい」が溢れていた。
勝手ながらエモいアワード2016金賞を授与させていただこう。
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