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裸足の季節のskgcのレビュー・感想・評価

裸足の季節(2015年製作の映画)
4.0
5姉妹みんなとにかく美人。自由を奪われて家の中に閉じ込められているからか、陽の当たった時の美しさが半端ない。肌とか光ってた。

慣習もしきたりも、軽々しく否定すべきではないと思うけど、当事者への「強制」が強すぎるのはやっぱり駄目だと思ったし、推奨したくないなと思った。
祖母の厳しい教育には、本意もあっただろうけど、長い間そのしきたりに身を浸してきたからこそ、孫たちに自由を与えるのは自分自身の人生の否定につながる怖さがあったからなのかなと思う。しきたりの中で幸せを得ることももちろんゼロではないけど、そのしきたりに「従順」になるための無理矢理の養育や教えは、結局当事者の人生への執着をなくすのかなと思った。
けど、見ていてたまにふと救われることがあって、5姉妹を教育していたまわりの女性たちが、厳しさの中に甘さも潜ませていたから、なんとなくほっこりする部分もあった。無駄が多くて拙い5姉妹の逃走劇の証拠隠滅を必死に援護してあげるシーンとか。愛情がないわけでは決してなくて、少しでも器量を育てて、「幸せな花嫁」につながる道を作ってあげているのかなと思った。幸せの尺度をおしつけている時点で、自由はなくなってるわけだけど。

あと、エロルって名前ね。日本語の語感だからこそ感じる印象だけど、その通りに最悪な奴だった。
あらすじ読んだとき「籠の中の乙女」みたいな感じかなと思ってたけど全然違うもので、どちらかといえば「デザートフラワー」みたいな悲しさと強さを感じた。末っ子の強いまなざしが、最後までぶれなかったのがよかったです。
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