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裸足の季節のhorryのレビュー・感想・評価

裸足の季節(2015年製作の映画)
5.0
トルコの小さな村、囚われるように暮らす五人姉妹の物語。
美しい映像で、女の子たちが封建的な制度にからめとられていく様が描かれる。

自由を奪われ、結婚することだけがゴール。
処女検査や、なんでも「性的」なことに結び付けられ禁止されていく様子は息苦しく、現代の話だとは思えないのだが、実際、エルドアン大統領は男女平等に釘を差し、「女性は子供を3人産むべき」と発言、姦通罪を復活させようとしたり、公共の場で女性にスカーフを着用させる法案を出した。
家父長制と女性差別の肯定が進む国の一面が、リアリティを持って描かれた、と見るべきなのか…。

印象的なのは、閉じ込められた部屋で姉妹が遊ぶ、いくつかのシーン。
体を重ねるようにしてじゃれ合う。伸びやかな腕と脚が絡みあい、美しい髪が波打つ。
ものすごくエロティックで、見ていてドキドキするのだが、イヤラシさは感じない。
規範の押し付けの息苦しさと、生命感あふれる姉妹の姿との対比がクリアなシーンだった。
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