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探偵なふたりのStroszekのネタバレレビュー・内容・結末

探偵なふたり(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

都市圏にDVD屋を構えながら主夫って割と理想的な生き方だと思うのだが、実際に事件を解決する方が面白いのか。

育児をしながらなんとか刑事の真似事をしようとする主人公の姿がいじましいが、それをガミガミ言いながら許す妻も相当寛容である。DVD屋兼本屋店主の夫と家庭教師をしながら家計を支える妻の関係性が、物語の半分くらいを占める。こういうミステリーだと探偵役を時間に自由がきく道楽者の単身者が務めることが多いが、幼児と赤ん坊を抱えるワーキングファザーが主人公であることが面白い。育児と探偵活動の両立をどうこなすかが前半の主眼である。その間にしっかり推理も進むところにプロットの巧みさを感じる。

韓国人俳優に疎いため、最後に逮捕される犯人の一人と、先輩に賭けを挑んだ同じ署の上司の見分けがつかず(髪型と眼鏡が似ていた)、上司がクビを言い渡される場面で、「へ?人を殺しといて辞表で済むの?」と思ってしまった。「警察署内部に共犯者が?ははーん、さてはチラチラ大写しで出てきたあの自信なさげな新米刑事が黒幕だな?」と、途中のミスリードにもしっかり騙された。

『セブン』以降、中盤にジメジメした緑ゴケが生えそうな場所が出てくるのはミステリー映画の定番なのだなあと思うなど。
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