Anteater

ミュートのAnteaterのレビュー・感想・評価

ミュート(2018年製作の映画)
5.0
幼い頃に事故に遭い、声を失ってしまったバーテンダーのレオ。
しかし、そんなことを気にしない同じクラブで働く恋人ナディーラと幸せな生活を送っていた。
ある時、その彼女が失踪、彼女を探すために彼は、混沌とした裏社会へ足を踏み入れる・・・。

アレクサンダー・スカルスガルドがすごい!
主役なのにほとんどセリフがないという設定にも関わらず、主人公の喜怒哀楽を見事に表現していた。
恋人といるときの楽しそうな顔、彼女を探している時の不安そうな顔、彼女に手を出された時の怒り狂った顔、真実を知って全てを諦めたような顔・・・。
特に好きなのが、恋人を抱きしめながら彼女に見えないように涙をぬぐうシーン。
彼女の前では強気に振舞っていたが、本心はものすごく怖くて思わず涙を流してしまったという姿を見て、主人公レオがとっても愛おしく感じた。
近未来感が上手く活かされていないという意見を多く見かけたが、「今よりも更に容易に情報が集められるようになったにもかかわらず、自分の足で情報を集めて回るレオのひた向きさを表わしている(それほどまでにナディーラを愛している)」と考えると、私は納得することができた。
寡黙な主人公が好きな方、純粋な愛情を注いでくれる男性に飢えている(笑)方にオススメしたい作品。
ニコラス・ウェンディング・レフン監督の「ドライブ」を見た時の感動に近いものが訪れる。
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