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世界を欺く商人たちのFrafillのレビュー・感想・評価

世界を欺く商人たち(2015年製作の映画)
4.5
アメリカのタバコ業界や石油業界などが使ってきた、恐ろしい手口を紹介するドキュメンタリー。序盤は、マジシャンに語り部を務めさせるかなりおしゃれな演出。
「おぉ、詐欺は怖いねぇ…」と思わせて終わるのかと思いきや、なんと、話は地球温暖化現象や政治の話にまで発展する…!

私は今まで、「気候変動はずいぶん前から問題視されているのに、何で未だに世界の足並みが揃わないんだろう?最近の天気とか災害とかを見れば、明らかに何かがおかしいってわかるじゃん?何ですぐ動かないの?」と思っていた。

そう、事態はそんなに甘くなかったのである。

劇中、ミシシッピの『ガチガチ共和党派向け』ラジオのDJが、「温暖化が人間のせいでは」と主張する同じ党の政治家に向かって

「同じ保守派のくせに!生粋のミシシッピアンなら、人間が原因と認めるくらいなら死ぬんだよ」と言い放つ。

…え?温暖化が人間のせいだと認めるくらいなら死ぬの?まじで?

苛立ちながら、勝ち誇りながら、怒鳴りながら、持論を展開する人々を目の当たりにして

私はようやく、アメリカで何が起きたのか、また起きているのかを理解した。政治、経済、科学が複雑に絡み合って、そりゃあもう大変なことになっているのだ…。

ちなみにやっぱりドキュメンタリー映画は、私にとってすごく難しくて、何回か観て、自分なりに頭を整理して、ようやく理解できてきた。時間はかかるけれど、すごく勉強になった。

そして私個人はというと、『小学生』か何かの雑誌付録で環境問題を取り扱ったドラえもんの漫画を読み、早くからそういったことに関心はあった。ドラえもんの映画『雲の王国』『アニマルプラネット』も、環境問題をテーマにしていたとは知らず観てはいた。
なので一応、温暖化肯定派なんだけども、でも、未だに大したことをできていない自分が、なんだか恥ずかしい。
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