ブラックユーモアホフマン

くまのプーさん 完全保存版のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

5.0
さすがの傑作。

断片的には見たことあったけど、ちゃんと全部みてなかったから改めて。

プーさんってちょっと不思議な感じがして、ディズニー映画には間違いないんだけど、ディズニー映画からもはや逸脱してるくらいキャラクターが強いっていうか。ミッキー&フレンズと同じくらいキャラクターとしての強さがハンパないから、なんかただディズニー映画の中の一作っていう感じがしない。

ミッキー・マウス、バックス・バニー、トムとジェリー、シンプソンズ、とかと独立して肩を並べていいくらいのキャラクターコンテンツというか。ちょっと他のディズニーキャラクターと比べても突出してる。スティッチはその次くらいに強いと思うんだけど、スティッチはスティッチだけが強くて、他のキャラはそこまで強くないから、やっぱプーさんたちはすごい。

だから多分、プーさんってその後に続編みたいな映像作品を最も多く作られたディズニー映画なんじゃないかな。ちゃんと調べたわけじゃないから確証はないけど。

最後のシーンで号泣なんですけど、それ以外のシーンもやっぱりすごく良くて。
100エーカーの森のみんなって、みんなバカで自己中心的でお互いに迷惑をかけあってるんだけど、みんなとてつもなく優しさもあってそれぞれの違いを自然に認め合っているから、色んなことがあっても仲良くコミュニティを保つことができていて。
これってすごく深い寓話だなと思う。教育上大変よろしい作品。

最後のシーンも含めてディズニーの皆さんはA・A・ミルンの原作のどこがいいのかをしっかり理解して素晴らしいものを作ったなと、思う。

そして天才シャーマン兄弟の音楽の素晴らしさ!!名曲揃い!!

【一番好きなシーン】
どんなお話にも必ず終わりがあるんだよ。

「ねえ、プー」
「なあに?」
「世界で一番好きなことはなあに?」
「ぼくが好きなのは君ん家に遊びに行って君が『ハチミツはどうだい?』って言うことさ」
「それもいいね。でも一番好きなのは、”なんにもしない”ことだよ」
「”なんにもしない”ってどうやるの?」
「そうだなあ。大人に『何するの?』って聞かれたら、『なんにも』って答えてね、そのまま外に行けばいいんだ」
「楽しそう。一緒にやろうよ」
「だけど僕、もう”なんにもしない”ってことできないんだ」
「ずーっと、できないの?」
「うん、たぶんね。ねえ、プー?僕がいなくなってもここに来て、”なんにもしない”ってことをしてくれる?」
「ぼくだけ?ひとりで?」
「そうだよ。それからね、僕のことを忘れないって約束して」
「もちろん忘れないよ。約束する」
「僕が100歳になっても?」
「そのとき、ぼくはいくつ?」
「99歳だよ。プーのおばかさん」

さあ皆さんも分かったでしょう?これから先、何が起こっても森のあの秘密の場所で一匹の小さなくまが、いつも待っていてくれるっていうことが。

→号泣。