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ヒットラーの狂人のlemmonのレビュー・感想・評価

ヒットラーの狂人(1943年製作の映画)
4.2
1942年6月10日、チェコのリディツェ。ヒトラーの命令により町全体が一掃され、20歳以上の男は全員銃殺、女子供は捕らえられた事件を描く。

理不尽なことしかない。事件の発端となったのは反乱軍によるナチスの副総監ハイドリヒの暗殺。この人の狂人っぷりは、怒りを通り越して同じ人間とは思えない。殺されて当然と思えてしまう。そんな彼が死に床で語る言葉は笑える。ヒトラーなんてそんなもん。そりゃ後に崩壊するよなあと思ってしまう。

ダグラスサーク監督は、この町の人々の生きていた喜びを、本作にエッセンスとしてほんのり加えている。代表されるのはパトリシアモリソンとアランカーティスの、にくいほどの美男美女カップル。とってもロマンティックだった。


リディツェでは確かに人々が幸せに生きていた。
それを奪う権利のないもが奪った悲しみ、計り知れない。ダグラスサークが事件翌年に、戦時下で本作を発表。本当に尊敬する。作品の出来以上に本作の価値を勝手ながら感じた。


点数はつけ過ぎかもしれないが、この歴史を知れてよかった。やはり反戦映画は必要だ。
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