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世界の涯ての鼓動のpherimのレビュー・感想・評価

世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)
4.4
ヴィム・ヴェンダース監督新作。『誰のせいでもない』の雪深い地での内面への旅、『アランフエスの麗しき日々』のコロニアル邸宅での時間への旅を経て、本作で試みられるのは世界の底への降下である。

混迷極まる謀略世界で原理主義の暴力と対峙する男と、光届かぬ超深海での理論的探求を志す女との邂逅は、それ自体が世界の神秘へ通じるかのごとく幻想的で刹那的だ。ジェームズ・マカヴォイとアリシア・ヴィキャンデルが、交錯しつつ決して混じり合わない魂の孤独を好演する。
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