イチロヲ

資金源強奪のイチロヲのレビュー・感想・評価

資金源強奪(1975年製作の映画)
4.0
暴力団の鉄砲玉となり投獄された青年(北大路欣也)が、出所後に自身の組から高額の資金源を強奪してしまう。主人公の隠し持つ大金をめぐり、腹の探り合い・奪い合いが展開される、東映京都のサスペンス映画。

北大路欣也の相棒となる凸凹コンビ(川谷拓三&室田日出男)、資金源の奪還に乗り出す幹部(安部徹&天津敏&名和宏)、暴力団の依頼を請け負う悪徳刑事(梅宮辰夫)。癖のある役者陣が、ノンストップでドタバタ劇を展開させる。

一方、ピンキーバイオレンスからは、梅宮辰夫に可愛がられる奔放な若妻役で渡辺やよい、拓ちゃんと援助交際する娘役で芹明香が参戦。とりわけ、リミッターを振り切ったようなアッパー状態の渡辺やよいに目を奪われる。

ズル賢さを武器にする人間たちのスッタモンダがフィジカルに描かれており、人間関係がハイスピードで二転三転していく。深作監督は本作に関して不平不満があったらしいが、「作者が否定する作品は面白い」の法則は、確かに生きている。
イチロヲ

イチロヲ