“戦争”は現場ではなく、会議室で行われているのだ。
昔の某刑事ドラマの名セリフとは真逆のことを思った。
つまり、これはドローンといった最新テクノロジーが「現場」と「会議室」を限りなく近づけた、ということに他ならない。自分が意思決定して発射したミサイルで傷つく人たちを、モニター越しに自ら目にしてしまうということだ。
これまで「会議室」で命令を出してきた政府要人たちが、「現場」を目の当たりにして攻撃に躊躇してしまう様子と、これまで「現場」で作戦の実行を行なってきた軍人たちが、「人を殺める」ことの道徳観に一瞬の迷いが生じる様子は、改めて「少数（特定）の人間を殺めて、大多数の人間を守る」という戦争の基本原理の是非を考えさせられた。
