Eegik

ずっと前から好きでした。告白実行委員会のEegikのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

「私に、マフラーを巻いてくれて、ありがとう」

原作を知らないので、60分の映画にしては登場人物とその関係が多くて把握するのが大変だった。

キャスティングの「とりあえず最近の人気声優を集めました」感に笑っちゃう。

主要キャラそれぞれが自宅で入浴しながら恋に思い悩んでいるのを立て続けに映すシーンがあるが、風呂の水の透明度が 男子>女子 だったのには「なるほどね!」と膝を打った(打ってない)。

ハニワをガッツリ作中に登場させるのにも笑った。構造的には信仰宗教の勧誘用パッケージと変わらない。

永井均の言うところの「超越論的なんちゃってビリティ」を扱っている。
恋人関係への移行儀式としての「告白」文化は日本特有であるとか(真偽は不明だが)聞くけど、「気持ちをちゃんと言葉にしてこそ相手に伝わる」という地点からさらに進んだ「言葉にしたとしても、そもそも言葉には原理的に『本心ではない』と後から訂正できる性質があるので、真に気持ちを伝えることは不可能である」というアイロニカルなテーゼを描いている。

また、男子たちが映画?を作っているようなメタフィクション匂わせもあり、それは結局明示的には回収されなかったが、この映画自体が(主人公の、あるいは視聴者の)「告白予行練習」として制作され編集された啓発ビデオであるとも解釈でき、それは上述の宗教勧誘ビデオとしての性質とも合致する。
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