Eegik

時計じかけのオレンジのEegikのネタバレレビュー・内容・結末

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

初キューブリック 原作小説未読

前半のやりたい放題パート、地に足がついてなさすぎて話が何も頭に入ってこなかった。どうしようかと思っていたら、逮捕されてからは王道のSFになって構成が理解できて安心した。当初のヤバさは薄れたけど。

過剰なバイオレンスとエロスに溺れるアレックス達だけがヤバいのではなく、彼らの被害者となる人々の格好やその住む家など、取り巻く環境・世間もずっと変で非現実的なのが肝だろう。

とても映画らしい映画だと思う。それはもちろん、「映画を強制的に観させられる」非人道的治療=刑罰のシーンがあるメタ映画である点だけでなく、異常な世界を構築してやりたい放題しているところや、早回しやスローモーションの映像演出や劇伴の音響演出など、映画である必然性が強く感じられた。

特に爆速3Pのくだりは良かった。エロゲでもこういうの見たいけど、早回しは映画じゃないとできない。連続性のある映像だからこそ。ノベルゲームはクリックによって物語がデジタルに進む不連続性に本質がある。

あと、やけに演劇的な構図・カットが多いなと思った。上手(かみて)と下手(しもて)を意識したような水平ショット。実際に「舞台」の上で行われるシーンも多い。

一人称の「語りべ」=主人公の存在もまたじっくり掘り下げられるだろう(めんどくさい)
Eegik

Eegik