あすか

君の名は。のあすかのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
3.7
天邪鬼精神が働きまくって見てなくて、いよいよみた。
所々羞恥ダメージを負うけど、骨太だった。美しさが暴力性を纏ってる。

ハウルの動く城をずっと思い出してた。ハウルも震災後に作られてたらこうなっていたのかな。

前半の日常も後半に向けての喪失感に効いてる。セカイ系で済ますには勿体ない震災をスタートにした表現だなと思った。「あのときのもしも」は喪失した側を過去に何度も引き戻してしまうものだし、時間による断絶は震災での喪失になにか類似して理解できる。そうでなかったところからの今に囚われてしまうというか。もっとこうしておけば、というifがあり、あの喪失は傷ついた人たちにそういう呪いをかけた。だからこの作品では時間を戻す必要があった。

マッキーのくだりも、あの日、最後のメールで感謝や愛を伝えた人がたくさんいること知っているから勝手に重ねてしまうし、電車で並行して相手を見るあたり、もしも、の象徴なのかな。映画としては綺麗に終われそうなタイミングいくつもあったけどそれをしない「そこまで描かなくてもみたいな饒舌さ」みたいなものはあったと思う。

あともう本当にずっと私にはRADが邪魔だった
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