Ryo

君の名は。のRyoのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.1
知ること、知識をつけることはとても感動的で重要なものなんだと実感しました。歌の歌詞にもあり監督が本当に伝えたかったことというのは震災や被害のあった地域、事件などについて知るべき、義務であるんだということだと思った。新海誠監督の作風である2人が出逢えるのか出会えないのか運命というものを今回も描いています。

それともう一つは運命。ここで表してる運命というのは時空を超えて未来、過去での出会いということもあるが、実際伝えたかったのはずっと何かを探し続けてる。一目会った瞬間に前にあったかのような運命的な気持ちにさせられる相手がいる事。運命って結局そういう事で、あった瞬間にこの人を前から探していたんだと実感できる人との出会いのことだと思う。そんなことをこのラストで語っているのだと思う。
これは監督自身が言っていたことだが今日の自分が明日と同じであるという連続性。記憶があるから明日も自分は自分なんだと理解できる。

新海監督は過去の喪失感を描く。他作品でもそうだが今作の名前を忘れそうになる設定はそう言う事で、現実でも1番大切な思い出すら忘れそうになる。


それと震災への考え方やイメージが大きく変わった。というのもただ可哀想や辛いだけじゃなくもっと壮大な何かが埋まってるのだと。なぜならそこには人の人生があり、伝統があり、街があったから。前よりももっと身近に感じることができました。

2回見ましたが2回目の方が色々と伏線に気がつくことができ、感動し泣きました。後半の盛り上げ方は本当に上手だと思いました。小野小町の古今和歌集
「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを」
(あの人のことを思いながら眠りについたから夢にでてきたのだろうか。夢と知っていたなら目を覚まさなかっただろうものを。 )
から着想を得たということです。


二人がお互いのことを忘れていく。
実際我々が夢を見た時時間が経つにつれどんどん忘れていきます。そのような事を暗示しているのでしょう。
さらにこれは携帯でつけていた日記が消えていったり、劇中で語られているように夢は現実に戻ると鮮明さを失っていき記憶がなくなっていくというところから来ていると思われます。

入れ替わりの理由
みつ葉は巫女であり単なる夢ではなく、未来の危険(隕石の落下)を人に知らせるための巫女の特殊能力だと考えられます。その力が宿り未来の瀧くんと入れ替わったんだと思います。

髪を結んだり「結び」が様々な場面で強調されてますがこれは神道の考えでは紐の結び目に神が宿るとされていたため何度も出てきています。


彗星を見上げてる画、自分は相手のこと知ってるけど相手は自分のこと知らない、でも名前だけは伝えておくなど(ハウルの過去を見に行った時)ハウルのシーンで似ているものがあります。
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