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君の名は。のkurのネタバレレビュー・内容・結末

君の名は。(2016年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ダサイ演出の歌つきオープニングを除けば前半はおもしろかったが、東日本大震災をあれほど意識させる描写をする中で死んだはずの人間を超常現象で助けるという展開は、フィクションだからといって結局はあくまでもフィクショナルにすぎない希望を提示することはとりわけ関連する現実を無視し、作品のためにモチーフがあるという監督の自己満足に成り下がってしまう。生と死の曖昧な境界を表現するのにわざわざ生き返る必要はない。

彗星の描写はとても綺麗だけど、一方人間だけは生きようとする描写がとてもスケールが小さく感じてなんでここだけやけに現実的なのかと思う。
フィクショナルな希望を提示するならもっと違うやり方がある。あと「安易」に「日本的なもの」に飛びつくのは日本の産業の悪癖。
「娯楽映画だから」は許されない。
「綺麗なものだけ観れればいい」は作り手が思っちゃいけないでしょ
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