デパルマ

君の名は。のデパルマのレビュー・感想・評価

君の名は。(2016年製作の映画)
4.7
後世に残したい映画だった。

我々は震災があったことや震災で亡くなった人のことを忘れてしまうことがあると思う。身近にそういう人がいない僕なんかは、7年も経つと思い出すことは少なくなっている。主人公の瀧も、被災した三葉のことを忘れてしまう。それは劇中の諸事情によって忘れるのだけど、観客は震災のことだと思う。瀧や三葉が『忘れちゃいけない』のはお互いの名前で、観客が『忘れちゃいけない』のは震災で亡くなった人。感動的なラストシーンは、悲劇的な災害に見舞われた人やその家族などに対する、ある種の救いになるかもしれないと思った。救いになればいいなと思った。

13年宮崎駿は『風立ちぬ』で戦争を、16年新海誠は『君の名は。』で震災を、同年庵野秀明も『シン・ゴジラ』で震災を、『この世界の片隅に』で片渕須直は戦争描いたのってほんと近年のアニメ監督すごいわ。

日本映画はくだらん恋愛映画と実写映画ばかりでなく、子供や学生でも観に行きたくなるしっかりとした後世に残したい映画を作ってほしいなあ。作っているのかなあ。

あとRADWIMPSの音楽がすんごい良かったなあ。

設定の穴がどうだとか、子供じみた映画だとか言われようが、ぼくは『君の名は。』で啜り泣いたし、ジブリ映画みたいに何年かに一度テレビ放送してほしいと思った。3月辺りに。後世に残してえ。
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