TakuoAoyama

何者のTakuoAoyamaのネタバレレビュー・内容・結末

何者(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

主題歌「NANIMONO feat.米津玄師/中田ヤスタカ」

意外に評価が低いことにびっくり。就活(それも当時の)を経験した人としてない人、SNS(特にTwitter)が身近な人とそうでない人で評価が分かれる気がする。

たった数百文字のエントリーシート、たった数十分のグループディスカッションや面接で何が分かるのか。同じ大学、同じ学歴なのになぜ自分だけ内定が出ないのか。他人の失敗よりも成功が目についてしまう就活。自分の時は丁度リーマン・ショックが起きた年で売り手市場だった1個上の先輩達とは打って変わって就職氷河期が始まった世代。自分は幾つか内定ももらって、第一希望の会社に入ることができたけど、それでも分かる、
焦るよな、就活って。

「料理が得意とか脚が速いとかみたいに、就活が得意だったってだけ。」という台詞が反芻する。

他人の批評や分析ばかりしてる系の二宮拓人(佐藤健)、意識高い系の小早川理香(二階堂ふみ)、自由奔放系の神谷光太郎(菅田将暉)、集団に紛れず斜に構えてる系の宮本隆良(岡田将生)、中立系の田名部瑞月(有村架純)。正に個性豊かな学生が揃ったグルディスの縮図。自分も意識高い系苦手だったな笑

拓人の"何者"という裏アカ名が切な過ぎる。

理香にその裏アカがバレていて、これでもかと痛いところをつかれ、動揺が隠せない拓人は瑞月の下へ走る。瑞月が見ているスマホの画面には拓人のTwitter。

それでも心優しい瑞月は咎めることはなく、「面白かった。好きだったよ。」と彼の演劇の脚本を褒める。

"にのみやたくと"として演劇の脚本を執筆していた拓人が初めて、"何者"ではない自分を認められ、直後、泣き崩れる。
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