カメチー

何者のカメチーのレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
3.6
『後味が悪い』と散々聞いていたのですごく身構えていましたが、そんなことは全然なかったです。

自分が就活をしていたときのことがまざまざと思い出されて、登場人物たちに自分を重ねて少し苦しくなったくらい。

有村架純の役の女の子が、
『何もやってないくせに批評ばっかりしてんじゃねーよ』
的な趣旨のことを勢いに任せて言った言葉がとても胸に刺さった。

あれは就活をやっている人だけに向けられた言葉ではない。誰しも身に覚えがあって、少しばかり胸がチクリと痛む言葉だったんじゃないかと思う。少なくとも私は自分に向けられたな、と思った。

振り返ると、私は今、自分を生きている、と思う。でも、就活中は自分が『何者』か分からずに本当に苦しかったなと思う。少なくとも多くの日本の学生がそんな状態なのではと思うと、少し可哀想に思う。